インテリア好きな人にとって、日本は「迷子」である。
そう、ふと気がついた。
フランスはとくに昔からの歴史を残し、いまのインテリアに行き着いているから深みがあってステキに見える。アンティークな壁、ドア、モザイク調の床、金属の細部の凝ったデザイン、などなど、自国の良い部分を残しつつ新しいデザインを加えてゆく。
しかし、日本はどうか? 昔からの和室の良いところを、歴史を、捨ててしまって、まったくちがった「ただの白い箱」で考えようとしている。
現在、雑誌「クーネル」にみられるようなナチュラル思考や、モノを断捨離して捨ててシンプルにしたミニマム思考、服に至っては無印良品などと言った装飾を消したデザイン、いまはこれらが人気で、一見、賢い選択に見えるが、没個性で「日本」であることの個性は?=無い。
外国のインテリアは昔の良さを残し、現代風にアレンジしている。
日本はどうしてそれができないのだろう?=和室が貧乏臭くてカビ臭くてババア臭くて、嫌いなんだと思う。
多数の日本人は和室の歴史を全否定。
四畳半ファークソング「神田川」の歌詞がそのままトラウマになってる。
だから、
「絶対 畳の部屋で暮らすのは嫌」
「布団敷いて寝るなんて、ありえん!」
「窓は大きくて天井も高くして床はフローリングで・・」
「ふすまの押し入れはありえない!クローゼットで収納棚付きで・・」
・・・などなど、気持はわかるけど和文化全否定に近い。
日本を取り入れる場合、昭和レトロになってしまうと四畳半フォークの世界になって貧乏臭くステキじゃないので失敗する。
日本の歴史もあってカッコいいと言えば、イメージでいうと京都風のディティールを入れたら良いと思う。書院造り風の造りのデザインとモダンを合わせたら日本らしいと思う。地方の旅館みたいになってしまうのは新しいモノを取り入れないから和室になってしまう。
こういうのはむずかしいし、そういう家がもう少ないので若い人にはピンとこないだろう。
インテリアが歴史も意味も無いただの「白い箱」に行き着くなら、それもそれで精神的に気持ち良いがそういう部屋に住むと「私は誰?」という気持がしてくる。