接客業について、書こうと思う。
誰かから聞いたが、
「お客様は神様です」
と言ったのは、髙島屋の接客係だと・・・(ホントかどうかはわからないが)
昭和に、百貨店の客はみな神様として扱え!という営業方針だが、
これが、サービス業の老年の営業達に、いまだに残っている。
海外ではショップのほうが客を選ぶのである。
日本で、客を常に神様扱いしないといけない状況は、当分、無くならないだろう。
いまだに客は「神様のように扱って当然」と思っているのである。
ある地方のリゾート、宿泊施設の管理(若い社員人)がいるとする。
そこで、宿泊客が、運動場の柵を越えて出入りしていた。
この柵は、こわれていて、本来はここからの出入りはキケンで禁止である。
しかし、この、こわれた柵から車道に出るほうが近いのである。
この施設の管理人も、この柵から出入りしていた。
それを、上司に見つかった。
上司は、管理人に、
「そこからの出入りは違反で、キケンだからやめなさい!」
と注意する。
いっけん、普通で、あたりまえの注意である、
・・・が、
この注意の言葉では、社員に真意が伝わったとは言えない。
なぜか?
客に対しては「違反だから、危険だから、」で充分であるが、
仕事として働く者への教育的な言葉としては、ちがうのである。
「もし、そこから出入りするのを心ない者に見つかったら、それをネタに弱みを握られてしまうことにもなりかねない。どんな小さなスキを作っても、それに甘んじていると痛い目に合う。人間というのは、皆、善良な人だけとは限らない。周りには悪人もいる。 客から、「”管理人も柵をこえてたし、だったら彼が悪いんじゃないの?」と言われるだろう。だから、すぐにやめなさい。」
というのが、正解である。
「違反だから、危険だから、、、」という注意は、
「訴訟」的な意味が含まれているので、客に対しての注意で充分であると言える。
しかし、
ほんらい、従業員への教訓としては、これでは伝わらないどころか、
小学生並みの幼稚な注意である。
接客の場合、つねに、性善説を無視し、
周りは誰もが悪人になりかねない・・
と思っていてちょど良い "あんばい" なのである。
仕事は、見える相手と、見えない相手を対象にする場合ではまったくちがう。
サービス業のように、見える相手の場合は、
つねに客からのちょくせつなプレッシャーに悩まされる。
モンスター(悪人)はあたりまえのように存在する。
優秀な接客業の皆さんは、大変ご苦労である。