どこかの国、ちがう世界、の、ある街に居た。
[逢う魔が時]=視界が悪くなる黄昏時。
悪魔が出る時間。
グレーと黄土色の街。
それは、「夢」であった。
かどの建物は、固く濃いざらざらのグレーの石でできており、
どうしてこんなデザインなんだろう?と思うような、変な形の大きな建物であった。
人の気配はまったく無い街であった。
その、かどの大きな建物のわきは、
ゆるくカーブした道が、遠くまで伸び、
その道の両側には、ちいさい明かりがたくさん瞬き、
何かを商売にしている店のようだった。
大きなグレーの建物の左は、
古い映画館があった。
何の映画かわからないが看板がたくさんあり、
自分は何か急いでいるようであった。
この「夢」ではない別の夢で、
これと同じ映画館へ入っていったことがあった。
そこは3本ぐらいの映画を上映しており、
今あるシネコンのようにちゃんとした席ではなく、
急な角度で、簡単なイスが並び、かなり大勢の人が座って映画を観ていた。
しかし、自分はこの映画ではない、
別の映画を観にきたのだ、と思い、ちがう上映の部屋へ行く。
とても落ち着かない様子であった。