音楽にはそれほど詳しくないが、
琴線に触れる部分が昔から変わらないのは不思議だ。
演奏者に関係なくあるフレーズや演奏に同じモノを感じる時がある。
そのモノとは(琴線に触れるものだが)、自分の言葉で言うと、
「懐かしさ」「唾液」「脳内」「景色」「物語」
わからないと思う、コレは自分だけの感じを言葉にしたものだから。
今回、まさにその同じ琴線に触れる音楽があった。
いまCMでLINE MOBILE で「のん」が出てる曲が気になった。
調べたら「キリンジ」のエイリアンズという曲だった。
初めて聴いたときにハイファイセットのような
7、80年代のイメージのグループかと思った。
オクターブでハモるような歌い方は男性と女性のデュエットかと思った。
バンドものはほとんど聞かないけれど、このCMの曲を聞いたときに
アメリカのロックバンド、スティーリ・ダン(STEELY DAN)の演奏を思い出した。
スティーリー・ダンはロックであるがジャズのような感じもあり
オーケストラのホーンやバンド演奏もあり、
知的で何だか風景を思い起こさせるような叙情的なロックだ。
歌声も非常に個性的で妙な歌い方が癖になる独特なバンドだ。
自分が好きだったアルバムは「AJA」=エイジァ。
往年のパリコレモデル・山口小夜子の横顔をとらえた黒と赤の配色が印象的なアルバム。
そのアルバム写真の通り、とてもオシャレで都会的な演奏だ。
この中の「DEACON」BLUES」=柳のブルースという曲に、
こんかいのキリンジの演奏と同じものを感じて心地よくなった。
ホーンの演奏や間奏をうまい具合いにいれたメロディーラインとか、
スティーリー・ダンが好きなんだろうと思った。
そして、キリンジは若いのに勉強熱心なんだろうな、と思った。
(もしスティーリー・ダンを知っていればのはなしだが)
スティーリー・ダンが好きな若者って(もちろん好きじゃないかもしれないが)、
もし好きだったら、いま、あまり耳にしないし珍しい。
俺ぐらいに中年以降だったら懐かしいし、好きだってわかるが、
あの良さをわかる若者って、とてもおもしろいと思った。
キリンジの演奏は歌詞はあまりピンとこないがサンンドの心地よさは自分好み。
はじめてあのタイプのバンド(と言っていいのがわからんが)が良いと思った。
曲を聴いて思い出されるものと言えば、
そのスティーリー・ダンのDEACOM BLUES を聴くと、
それを聴きながら読んでいた萩尾望都先生の漫画「ポーの一族」の最終話である「エディス」で、
エドガーの相方アランがガス事故で消えてしまい、
自暴自棄になっていく最後のシーンを思い出すのだ。
コレは自分だけのシンクロ。