ろくろく人生レポート

66才からの人生探求レポート

老人と青年

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カテゴリーに「老人」か「老後」とか増やそうと思ったけど、ちょっと暗いイメージなので「老人と海」としようと思う。そのわけは下記を読むとわかる。

「老」という文字から、優しく穏やかで可愛らしいおばあちゃんは想像できない。テレビで特集するような孤独死とか老老介護とかのマイナスイメージが先行する。スタッフを含め多分20~30代前後が多いと想像するハテナブログで「老人」などといったキーワードは無いに等しいが、それでも場違いな雰囲気を感じながらもここでブログを書いているの自分なのだが・・・

NHKの特集で、81歳のジイちゃんが住むマンションの一室に20代の男子が下宿するというドキュメンタリーを観た。NPOが間に入って年配者の家庭に若者を下宿させるという活動をしているのだという。ジイちゃんは一人で食事をするのが寂しいという悩みが、若者と一緒に住むことで新たな生き生きした生活になり、若者は食事付きで安く住め将来の夢に向かって頑張れる。という構図だ。

ジイちゃん、料理上手だ!きれいに盛り付けされておいしそうだ。ジイちゃんでなくおばあちゃんでも良かったけれど、ジイちゃんと若者という設定が、ヘミングウェイの「老人と海」を思い出させた。ほぼ、海と老人とサンチャゴ少年しか出てこない「老人と海」は、マンションで二人で生活するジイちゃんと若者が、時代も景色も人種も違うのに妙にダブって映る。老人は漁を教える。サンチャゴはいつも老人を気にかけている。ジイちゃんは生活のマナーを教える。若者はジイちゃんのシャツをカッコいいと言って借りて出かける。年は孫ほど違うが肩を組むくらいの男同士の信頼関係が生まれる。

いつか若者はジイちゃんの家を出て行く時が来る。大人のマナーとルールをたくさん教わり新たしい地で活動する。血のつながらない関係だからこそ築けた思いやりある関係。しかし、ジイちゃんにはこの関係を何度も経験する時間は残っていない。

2017年の日本によくある一人暮らしの老人の家に「老人と海」と似たことが起こるとは、ヘミングウェイは想像もしなかっただろう。