コンビニで買物をして、人通りの少ない四叉路に出たところで、ガッチリした体格でちょっとオタク風の黒のコートの男性が前を歩いていた。黒い服だがスーツ姿ではなく黒のコットンパンツにバッグは無しで、近所に買物に出た、という感じの40代初めぐらいの黒メガネをかけた色白男であった。
小さな交差点で左から女性の運転する小型の車がゆっくり入ってきた。 自分はその男の2、3m後ろにいたが、横断歩道の手前で、その黒メガネで黒いコートの男がぴたっと止まった。 女性の運転する車は停車し、フロントガラスの奥、手で「渡ってください」という振りをしていた。
黒メガネに黒いコートの男は、その場で深く丁寧に1回おじぎをした。
そして、横断歩道を渡りきったあと、
後ろの車に向かってまた丁寧に1回おじぎをしたのだ!
なんという礼儀正さだろう!
イライラする人ばかりの日本の街で、こんなに丁寧な態度は見たことがない。けっして偉そうにする事もなく、おじぎも1回ならともかく2回もである。
ぱっと見た目は黒ずくめでオタク風の男だったので、自分の世界だけで生きてる?と思ったがその逆であった。こういった見た目が無愛想な感じの男性が丁寧に、謙虚に、人に対応するとは、 何ということだろう・・・。
そう、 「人なんて皆やなやつばっかり・・・」という思考が恥ずかしくなる。
競争社会とか、やられたらやり返す!とか、目には目を!とか、怒り心頭!とか・・・・なんだかむなしいね、こういう思考は。
マナーが悪かろうが良かろうが、嫌な奴らが多くても、黒コートの男には関係ないんだな、きっと。自分が礼儀をもって謙虚にすることだけ考えてるような、それもわざとじゃなく、誰にほめられるためでもなく、言われたからやってるようでもなく、自然にできる、何か達観した?ような思考を持ってるのだろうか・・・
ぜひ、これを思い出して、マネから初めてみたい思う。
※画像と今回の記事は違います