ろくろく人生レポート

66才からの人生探求レポート

不可解な歌詞

f:id:bearpond:20200416163555j:plain
ひまわりの約束

Song by 秦基博. 作詞:Hata Motohiro. 作曲:Hata Motohiro.

はたもとひろ というソングライターの曲だが、若者は誰もが聞いたことがあるだろう曲である。ドラえもんをイメージして作ったとか・・・。

自分がまだ禁酒する前の、そのずっとまえに、行きつけのバーのカラオケで70才近いオッサンがよく歌っていたので知った歌なので、はたもとひろが歌ってるより先にカラオケで知った曲だ。

知っての通り、カラオケというのは画面に歌詞が大きく出る。

たまに流れてくるこの曲を聴くたびに、どうしても違和感、というよりハッキリ言わせてもらうと、不快感と不可解な感じがある。

それを説明しようと思う。

 

どうして君が泣くの

まだ僕も泣いていないのに

自分より 悲しむから

つらいのがどっちか わからなくなるよ

・・・・

 

これが、この歌の歌詞の前半なのだが、まず最初の2行、

 

どうして君が泣くの

まだ僕も泣いていないのに

 

メロディーに収まるように歌詞は短くしたのだろうから、詳しく解釈してみようと思う。説明するためにまず、この2行は、文章的にも時系列的には逆にしたほうがわかりやすい。

 

まだ僕も泣いていないのに、どうして君が泣くの?

 

そして、「僕」を「自分」と言う言葉で置き換えてわかりやすくしてみる。そして、句読点などを入れながら変えてみる。

 

まだ自分が最初に泣いていないのに、どうして君が自分よりも先に泣くのか?

 

そしてさらに、問題をわかりやすくしてみると、

 

最初に泣き始めるのは自分じゃないとダメなのに、

なんで君は自分より先に泣いてしまったの?

 

この歌詞には「泣く」と言うキーワードがとても重要な点である。そして、とても不可解であるのは、この「泣く」という行為は、ドラマや演技で最初から決まっている場合だったら、この歌詞は理解できる。つまり、2人の演技で自分が最初に泣かなければならない演出なのに、なんで 君が最初に泣いたの?それはNGじゃないの?と。

しかし、ドラマの演出の歌詞でもないだろうから(もしかしてドラマの演出の内容なのか?)、この「泣く」という行為は、人の生活において、あらかじめ決まっている行為じゃなく感情が抑えきれなくなって起こる現象、つまり、予期できない自然なもので、誰が最初に泣いて、誰がそのあとで泣くか、は決まっていないものなのである。

「ひまわりの約束」の歌詞の最初の2行に戻るが、

 

どうして君が泣くの

まだ僕も泣いていないのに

 

この「どうして」という言葉には、「なんで?」という言葉に置き換えられる。何かの不満を言いたいことを感じる。「君」にたいして、とても冷静で事務的に文句を言っていると感じる。そしてこう続く、

 

つらいのがどっちか わからなくなるよ

 

つらいのは自分のほうだと、ハッキリさせないといけないようだ。なぜ?

そして、意味をこういう風に解釈した。

 

なんで、君が僕よりも先に泣かなきゃならないわけ?

まだ、僕も泣いていないのに?

最初に泣かなきゃいけないのは僕じゃなくてはだめなんだよネ、わかる? 

 

さらに全てをまとめると、

 

なんで、君が僕よりも先に泣いちゃったわけ?

まだ、僕が泣いてないのに?

最初に泣かなきゃいけないのは僕じゃなくてはだめなんだよネ、わかる? 

人からつらく見えるのは 君じゃなくて僕じゃないといけないんだヨ、

君が最初に泣いちゃったら、

つらいのが どっちか わからなくなるんだよ、

一番に悲しんでるのは、君じゃなく、僕じゃなくちゃダメなんだヨ、

だから、君が最初に泣いたら、

僕が1番に悲しんでるように見えなくなっちゃうんだヨ!

(どーしてくれるの?いま、怒ってるのがわかる?)

 

自分はこの歌の歌詞を、このように解釈した。

たとえば、お笑いを見ていて目の前の誰かが大声で笑ってしまったら、その勢いに押されて、笑えなくなってしまった・・というような現象がたまにあるのはわかる。しかし単純に、そう言うことを言っているのではないだろう。

意地悪や揚げ足をとっている風に思われるが、この曲はとても良いメロディーなので、だったら最初の部分だけこのように変えてみたら、不可解さは無くなるのではないだろうか?

 

君が最初に泣くのを見て

僕も同じように悲しいはずなのに

自分の気持が静かになったよ

君を慰めてあげたい気持になったよ

・・・・

 <解説>

君が最初に泣いたのを見て、なぜだか自分の悲しみがか静まるのを感じた。同じようにつらいけれど、君を慰めてあげたい気持になった。こんな2人を人が見たら、どっちがつらいのかわからないだろうね・・・。

こういう風に。

 

そう、しかし、こういう歌詞にすると、たぶん作者の意図が、まったくちがってくるのだろうな。

本当の歌詞の意味は、自分が分析した不可解な意味がほんとうなんだろう(後半の盛り上がり部分はどーでもいい)。

歌の歌詞は最初が肝心だから、この歌の世界の主人公は、つねに冷静で自己中な性格なんだろうな、と思う。