銭湯の帰り、いつも歩く道をやめて
どこへ続く道かわからないが
小さな川沿いの狭い歩道を 歩いてみた
3m上から覗く格好で川が流れている
川沿いも歩けるようになっている
茶色い鴨は 土の色と草の色と馴染んで見失った
鴨は 必ず2匹で動いていた
歩道には鉄の柵があって
10m先に たぶん90才近いおじいさんが
鉄の柵のところで 杖をついて
歩いてるのか 休んでるのか
歩き出そうとしているところなのか
お互いに 遠くから顔を合わせた
おじいさんは小さな声で「こんちは」
自分はそれより小さな声で「こんちわ」
恥ずかしくなって おじいさんの横を通り過ぎた