東京おとこひとり

語るモノコトのいろいろ

樹村みのり先生の「海辺のカイン」

東京の感染者数は少しづつ減って来ています。

気分的に良いことですよね💕

 

今朝は漫画の話をしました。が、もう一つ同じ作家の漫画を紹介します。

こちらは長編でさらに突っ込んだ内容で自分的に名作だと思っています。

同じく、樹村みのり先生の「海辺のカイン」

いまでこそ、ジェンダーだのゲイだのと騒いでいますが、この当時はそんなことは変態扱い、病気扱い。

いつ時代も少女も少年も、大人へのイニシエーション=通過儀礼の時期がある。それは、大人になるために通過しなければいけないこと。

親との関係、自分の性の趣向の意味、トラウマの解消、素直になること・・・

抱えていた疑問、押し殺していた不満・・・

それらを解放することで、ひとつ大人になる。

森展子(のぶこ)は海辺の街に住むデザイナーの佐野とふとしたことで出会う。

信子は悩みを抱えていた。胸が大きくなる年頃に母親からのささいな言葉に傷つき、母親に対する怒り、疎外感、女になることの恥ずかしさを感じ、いままでどうしたら自分が大人の女性になれるのか?どうしたら母親を許せるか?考えていた。

カインとアベルの神話を引用し、アベルのほうの供物を受け取った神、しかし、カインにはそうしなかった。カインは神に怒ってアベルを殺してしまう。そして追放されてしまう。

この神話には、なぜ神はカインの供物を受け取らなかったのか?が書かれていない。

この意味は、人生には理由なく不条理なことが起こる。と、いうことだと思う。

展子は自分はカインと同じだと思っていた。

母親から愛されていないと感じている展子。

展子は大人で素敵な女性、佐野との付き合いの中で、いろんな話をしていくうちに、彼女を尊敬し、しだいに惹かれていった・・・しかし、、、

この話で秀逸なのは、展子はどうやって母親を許し解放できたのか?だ。

信子のちょっと照れながら話す表情や、佐野の困った表情、母親の表情、文字のない絵だけでわかる場の空気、そういうものを感じ取れる漫画。